後日追記です*

前日19日から、某団体が犬たちを取り戻しに来るという連絡を
よこしていました。
最初は店に電話が入ったのですが、運良くそのときはオーナーが店におらず、
スタッフの方が電話を取りました。F井氏という団体の幹部の方が
「センはもともと里親が決まっていたから、引き取りに行く」という内容の
連絡だったそうです。
スタッフは「私ではわからない。返事できません」という感じで、
「渡す」とも「渡さない」とも電話で返事をしませんでした。

このあと、某団体代表本人から再三電話が店に入りましたが、
すべてオーナーが手が離せないときか、不在のときで、
スタッフかボランティアが電話応対し、オーナー本人は電話に出ませんでした。
その連絡内容は次第に変わっていき、「センと、リーナ、レモンを
引き取りに行く」ということになったと思います。このとき、
「引き取りに行く」と言われたのがどの犬だったかうろ覚えなんですが
「あっ…避妊虚勢手術がまだの犬だ…」と思ったのを覚えています。
このころ、某巨大掲示板にて、「明日、犬の引き取りがあるかも」
という書き込みがされたようです。

夜。最終的には「明日朝9時に、全頭取りに行く」と書かれたFAXが届きました。
これはこの目で見ましたが、決して綺麗と言えない字で
書きなぐられたような文章でした。
オーナーは「断るつもりだが、断れば代表と全面対立になる。
返した方が良いのだろうか」ということを相当に逡巡していました。
これは私が犬たちのカルテなどを作りながら同じテーブルの斜め前に
座ったオーナーの様子ですので、嘘はないと思いました。
この時間にはもう帰ってしまっていたボランティアさんで連絡を取れる方に
「明日9時に代表が来るかもしれないので、明日は8時半に来てもらえないか」と
お願いして回りました。

そして、20日

私は朝8時45分ころにスタンバイに到着しました。
そのときはもうボランティアさんたちがいつも通りの作業を始めて
らっしゃいました。店も通常営業ですので、オーナーとスタッフさんも
働いていらっしゃいます。団体の関係者はまだ来ていないとの事。
散歩やフードや掃除をしていると、FAXで通知された時間の9時を過ぎ…
10時も過ぎました。
「もしかしたら来ないかも…」そう思いながら、それぞれ散歩に
出ました。すると、赤いステーションワゴンが、散歩をしてる
ボランティアさんを追い越した…途端、ストップし、バックして
そのボランティアさんと犬の横で停止しました。
そして、運転席の50がらみで白髪交じりのでっぷりとした男性が
そのボランティアさんと犬をじーっと見ていました。
私は、犬の引き取りに、もっと大きな車と、代表本人が
来るものと思い込んでいましたので、彼が団体の関係者で
あるかわかりませんでした。
この人物が団体の幹部であるF井氏でした。

慌てて犬たちとボランティアさんは店内に避難しました。

F井氏は、ごく普通に「お疲れ様です〜」と入店しようとしましたが、
オーナーが「店内に入らないでください!」と制し、店の外で
話し合いました。
このとき私はF井氏を始めて見ました。
オーナーとF井氏、男性ボランティアさんたち、女性のボランティアさんで
最初から犬のお世話をしてた方が、店の出入り口辺りに立ち、
話し合いが持たれました。

(あとから皆さんに聞いた話では、このときに「犬たちがどこに行くのか、
おおよそだけでも、今まで世話をしてきたボランティアさん達に教えてください」
「お金と物資などの不明瞭な点を開示してください」「誠意を持って
ボランティアさん達と話し合ってください」と、オーナーが言い、
F井氏は「言えない、知らない、わからない、犬を出して」と言うばかりだった
そうです)

このころ、ムーブ取材クルーが到着しました。

しばらくオーナーはF井氏と話していましたが、やがて店内に戻り、
ボランティアさんたちに、「どうしても犬を渡せと言ってる。
どうしたいですか?」と聞きました。
私達ボランティアは「思いとどまってくれるように、頼みたい」と
言いました。

そこで、ボランティア全員で店外に出て、「ここへ来て、
ボランティアのみんなと誠意を持って話し合ってください。
犬の行き先や、お金について!」「お願いします!」と頭を下げました。
その時F井氏は、困ったようにこちらを見ながら、代表と電話で
話していました。
オーナーと、一部のボランティアの女性は、さらに「お願いですから!」と
大きな声(電話越しに代表にも聞こえるように)言い、
F井氏に対して土下座をしました。
私達もさらに深く頭を下げました。

F井氏は「代表が話したいと…」と、土下座しているオーナーの頬に
携帯電話をあてがおうとしましたが、オーナーは無言で激しく首を振って
電話で話をしない意思を示しました。
F井氏は一旦電話を切って「無理です」というような意味のことを言いました。
オーナーと一部ボランティアさんは、他の人に支えられて立ち上がりながら
悔し泣きしていました。

その後、F井氏は店から少し離れながら再び電話で代表と話し、
しばらくすると警察が来ました。

店外で、警察の方はF井氏と代表それぞれと話(代表とは電話で)、
もう1人の警察の方はオーナーに話を聞きました。
そこで警察の方はF井氏と代表に、「民事ですから、
お互いよく話し合いなさい」と言いました。

電話で警察の方が代表に「ちゃんと世話もされてるし食事も与えられてるよ」
と言って、「ちゃんと話し合いなさいよ」と諭すように話していました。
しかし代表は納得しなかったようで、ずっと食い下がっていたようです。
段々警察の方ももどかしくなったらしく、「所有権、所有権とあなたは言うけど
それで直ちに犬を取り上げられるわけではなよ!」と言っていました。

警察の方が来てから2時間くらい経ったでしょうか?とても緊張した状態でしたので、
時間の流れをよく覚えてませんが…ともかく「よく話し合ってくださいね」
という言葉を残して、警察の方は帰っていきました。
F井氏もその後、赤いステーションワゴンに乗っていなくなりました。

あとは犬たちの世話に戻りました。